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南総里見八犬伝

Hakkenden9日夜、歌舞伎座で「南総里見八犬伝」を観た。

八月の歌舞伎は例年、若手主体の三部構成。第三部の「八犬伝」は18時開演だ。あの長い物語を「発端」から「大詰」まで3時間で描かれるわけで、けっこう慌しい。場面転換が多くて、そのたびに幕が閉まり、芝居がブチブチと切れてしまった感じがした。それでも、充分おもしろかったけれど。

伏姫に扇雀。八犬士を演じるのは、三津五郎(犬山道節)、染五郎(犬塚信乃)、高麗蔵(犬川荘助)、福助(犬坂毛野)、弥十郎(犬田小文吾)、信二郎(犬飼現八)、孝太郎(犬村角太郎)、松也(犬江親兵衛)。そのうち4人が二役で、扇雀(山下定包)、三津五郎(網干左母二郎)、孝太郎(浜路)、松也(安西景連)は二役。孝太郎は八犬士よりも、犬塚信乃の恋人・浜路役がメイン。みなさん朝昼夜と出ずっぱりで、いやあ、本当にオツカレサマデス。

染五郎サンの若侍姿がきりりとしてかっこよく、高麗蔵サンとのコンビも秀逸。福助サンの女田楽師じつは男子という役どころも、予想通り。福助サンの殺陣は男の役でも女にしか見えなかったが…。気合が入っていたのは、中村錦之助襲名で時の人となった信二郎サン。現八はワイルドなキャラだから、男前の信二郎サンが演じるとじつに華やか。信二郎サンってちょっと地味な存在だったので、この変化はウレシイ。松竹としても彼の襲名を前にして、二枚目の立役・信二郎をプッシュ!というモードに入ったのだろう。

三津五郎サンの存在感はさすがで、やはりうまいなぁと思った。脇では亀蔵サン(簸上宮六、馬加大記の二役)が独特の味を出していた。扇雀サンはラスボス・定包が印象的。派手なんだわ、とにかく…。男役になると、藤十郎サンにやっぱり似てるねぇ。

9日は開演2日目で、アレ?という場面がちらほら。台詞が入っていなくて、袖(後ろかも)からすべて言ってもらっていた役者サンもいた。影の声が丸聞こえで(大声でないと幸右衛門サンが聞き取れなかったのか…)、音声ズレみたいでヘンだった。あれは興ざめ。

福助サンが引き抜き(二枚重ねた着物を留めた糸を後見が抜き、瞬時に衣装を変えること)を披露。しかし、その瞬間、ブチッと糸が切れる音がやけに響き、衣装がはらりと腰から落ちるものの、福助サン、手でしきりに形を直している。ああ、失敗か~。どこが悪かったのか、10列目に居た私にはわからなかったのだが、どうもまずかったらしい。でも、ちょっと顔をひきつらせた福助丈もステキでしたよ(w

登場人物が多く、各人が見得を切る場面がたくさんあって、なかなかゴージャス。八犬士がずらりと揃い、敵の定包をとり囲む。ここで幕切れ。諸々、引っかかるところはあったが、華やかで見せ場が多く、おもしろい芝居だった。衣装と舞台美術がけっこうモダン。色使いが現代的だと思った。8つの玉の演出もきれい。あれは何であんなに光っているのだろう。

幕間に唄・松島藤次郎サン、三味線・杵屋巳吉サンが2人で舞台に登場し、立ったまま大薩摩を披露。巳吉サンは台(直前に舞台に置かれた)に右足を乗せて、ガンガン弾きまくっておられた。当然、ストラップなどつけていないし、あの体勢で安定させるのはタイヘンそう。唄のないところでは、藤次郎サンは後ろを向くという演出。合方(三味線ソロ)では場内、拍手喝采。カッコよかったです~。女田楽師が舞う場面では、後ろに長唄・囃子連中がピンク色の裃をつけて、ずらりと登場。あら、うちの一門の佐陽助サンもそこにしっかりいらっしゃるではないですか。おつかれさまでございます。

photo/「八月納涼歌舞伎」筋書きの表紙。歌川豊国筆「見立八犬伝」より、となっている。「八犬伝」の役者見立絵風錦絵だ。

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