元禄忠臣蔵 第三部
年の瀬も押し迫り、連日慌しくてもはや遠い過去のような気になってしまっているが、15日に観た「元禄忠臣蔵 第三部」の覚書。
吉右衛門、藤十郎と続いた大石内蔵助、今月は松本幸四郎で完結編。討ち入りはどんな演出かとワクワクしていたら、なんと声と効果音だけで、幕が上がると、そこは戦いの後の吉良邸裏門だった。
真山青果の原作通りの演出なのか、そこはわからないが(まず、原作読まないと)、いきなり討ち入り後から始まるのに、少々面食らった。でも、達成感とやるせない気持ちが入り混じった複雑な心境の赤穂浪士たちを描く世界に、すぐに引き込まれていった。
吉良邸での集合、泉岳寺の浅野内匠頭の墓前への報告、千石屋敷での義士検分。舞台を広く使って、四十七士が並ぶシーンは、おお、さすがという迫力。思わず、数えてしまったよ…。場面によって36とか37とか。47名には足らず。私は2階3列目のど真ん中に居たのだが、見えなかった役者さんもいるかもしれない。
幸四郎サンの内蔵助は、落ち着いたたたずまいで好感が持てた。いつもの(失礼!)ハイテンションを想像していたので、渋く、しっとりと語る姿が意外にもハマりかな、と。第三部は登場人物が多く、内蔵助の台詞がほかの回に比べ、少ないような気もしたが。幸四郎サンは吉右衛門サンとはまったく違うベクトルをいつも示す役者さんだけど、今回は2人はさすがに兄弟、姿かたちも含め、雰囲気がよく似ていると思った。
千石氏には坂東三津五郎。登場シーンには拍手と大向こう。華がある。この品のよい武士のたたずまいは、三津五郎サンならでは。ほかに上品だなと思ったのが巳之助サン(大石主税)。そうか、三津五郎サンのご子息だ。顔や声は似ていないけど、品のよさは共通しているかも。登場人物がオジサンばかりでやけに男くさいお芝居の中、巳之助サンと梅枝サン(細川内記)の若侍、芝雀サン(おみの)の一途な娘が清涼剤的な役割にもなって、後半、とくによかったと思う。
3ヶ月通しで観たご褒美は、主役3名のサイン入り手拭い。半券3枚を提示して、ありがたく頂戴してまいりました。芝居も終わったので、画像さらしまする。手拭いの内蔵助はとても若く見えるけど、切腹時、彼は満44歳。当時は40代半ばでもう初老の域であったかもしれないが、演じられる内蔵助はドラマも含め、いずれも重厚な老け役に感じられる。三部作の内蔵助は、実年齢60代と70代(^_^;) もっとも若く感じられた(実在の内蔵助に近い)のは幸四郎サンかな。
photo/3ヶ月通し観劇記念の手拭い。大石内蔵助の紋は二つ巴。忠臣蔵を題材とした長唄に、四世杵屋佐吉作曲の名曲「二つ巴」がございます。
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