« Jリーグ開幕! | トップページ | チューリップ »

義経千本桜

Yoshitsunesenbonzakura_17日、「通し狂言 義経千本桜」夜の部@歌舞伎座。

「義経千本桜」は「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」と並ぶ、義太夫の三大名作狂言のひとつ。初演は歌舞伎でなく、人形浄瑠璃。全編を通じて浄瑠璃の渋く力強い音楽が流れ(太夫の熱演も見逃せない)、義経を取り巻く人々の物語が展開していく。

夜の部は物語の後半、大詰めまでの「木の実」「小金吾討死」「すし屋」「川連法眼館」「奥庭」。いつもは女形の扇雀サンと時蔵サンが今回は男役というのが新鮮。扇雀サンの小金吾は、立ち廻りのさばきも美しく、見やすかった。

なんといってもよかったのが、仁左衛門サン扮する「いがみの権太」。大阪人としては、今回の上方バージョンはじつに心地よい。上方言葉で演じる仁左衛門サンの権太には、どうしようもないワルなんだけど根はやさしくて人情に厚いというのがよく伝わってきた。息子の善太郎に請われて、背負って帰るシーンがよかったなぁ。この芝居のテーマは“親子”なんだと、あのシーンでじんときた。子役サンもうまくて泣かせる。

時蔵サン(弥助実は三位中将平惟盛)と孝太郎サン(娘お里)の掛け合いが楽しくて、絵になっていた。時蔵さんの色男ぶりにまず、ため息。また、孝太郎サンの大胆でかわいい町娘っぷりが秀逸。見た目も動きも人形浄瑠璃の人形ぽくて、それがすごくかわいらしい。この役者さんの魅力をあらためて発見できたような気がする。弥助が最初に出てくるところで、聞き覚えのある長唄が。「鷺娘」の一節だ。この芝居にも使われているんだねぇ。今月、下座はわが師匠のご担当。どの場面でも、役者さんとどう合わせるか、日々葛藤があるのだとか。舞台は生き物、まさにそうなんですね。

「すし屋」は後半、ちょっと駆け足気味で急(せ)いた印象が強かった。権太が刺されるあたり、ちょっと唐突で。左團次サン(鮨屋弥左衛門)はいい感じだったのだけど、終盤、ちょっと影が薄かったかも。

「川連法眼館」。ちょっと丸々した狐ではあったけれど(失礼!)、菊五郎忠信は動きもしなやかで美しい。この芝居、しかけを使った移動シーンや早変わりなどが見せ場でもあり、宙乗りはないものの、体力勝負で大変そう。欄干の上で踊るシーンでは、落ちないかと冷や冷やしたよ。梅玉サンの義経は品があって、大人の殿様という感じ。義経にしてはちょっと老けすぎ(これも失礼!)な気もしたが、梅玉サンらしい佇まいと演技に満足。静御前の福助サンは、鼓打ちの姿がきれいで若々しかった。福助サン、ちょっとやせました? 

「奥庭」で最後に登場の幸四郎サン(横川禅司覚範)は、見た目超ゴージャスで、やはり絵になる。鎧つきの衣装の重みも感じさせず、キビキビとした動きで小気味のよいラストだった。

この日は盛んに大向こうが掛けられていたけど、「法眼館」でお女中6人がずらりと並ぶところでも「芝のぶ!」ほか全員の名前が掛けられていた。芝のぶサンは私も大好きな役者さんなんだけど、このシーンでの大向こう(しかも屋号でなく名前で)にはちょっと違和感が。あれは毎日、掛かっているのだろうか。

昼夜の通し狂言で、先に夜の部を観てしまった。昼も観たいのだが、今後、時間が取れるかどうか。こういう芝居は、昼夜をじっくり続けて観たいなぁ。

photo/三月大歌舞伎「通し狂言 義経千本桜」筋書表紙。

|

« Jリーグ開幕! | トップページ | チューリップ »

「歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/113332/14197288

この記事へのトラックバック一覧です: 義経千本桜:

« Jリーグ開幕! | トップページ | チューリップ »