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風林火山

文月朔日。1週間、更新が開いてしまった。気持ち新たに、また。

さきほどまで、NHK大河ドラマ「風林火山」を観ていた。このドラマ、大河としては久しぶりに真っ当な時代劇として仕上がっていると思う。キャスト、脚本、演出、音楽すべてがきちんとしている。どれをとってもじつによくできていて、まともなのだ。

「風林火山」では、役者サンたちにハズレがないというか、みなさんフツーに芸達者でうまい。最近のドラマにありがちな「ん? なんだかつじつまが合ってない!」「この人の演技、どーなのよ!?」と視聴する側として首をかしげる、または憤りを覚えるようなことがない。物語の進行は主人公・山本勘助にとって都合のよい展開になりがちだが、破綻はない。なによりも、どの役者サンも風林火山の世界にとけこんでいるのがいい。演技のクセや個性は人それぞれだが、みな違和感なく存在している。

今週の第26回「苦い勝利」は、私が今まで観たなかで(2回見損なっているが、あとは一応毎週鑑賞。最近は録画もしている。NHKは再放送があるので助かる)、もっともヘビーな展開で、手に汗握りつつ背筋を正して最後まで見入ってしまった。生首を布で包んで隠す描写などはちょっと不満が残るが(これもご時勢だろうが、あれでは怖さが薄れる。ただ、恐怖と絶望を顔だけで表現したダンカンはよかった)、ドラマにここまで“凄み”を感じたことはかつてない。「うーむ、これはすごい」。番組終了後、オヤジのようにうなってしまったよ。

登場する人物たちの想いが錯綜し、歴史の歯車が少しずつ回り出す。厳しい戦略を突き進め、ダークサイドをひた走る竹田晴信、そんな晴信を止めることができず見守るしかない家臣たち、晴信の変化を案ずる女たち、敵将村上陣、そしてついに存在を顕わにした長尾景虎。時代に翻弄される庶民の平蔵も含め、人間模様が複雑に絡んでいく。このドラマは勘助の物語という認識だったが、これもまた群像劇なのだとあらためて思った。

市川亀治郎(晴信)の演技が今日はとくに歌舞伎風というか、時代がかった重い言い回しばかりでちょっと怖かったけれど、オーバーアクトでも私的にはOK。歌舞伎の亀ちゃんとは全然違うので、おもしろい。オーバーといえば、Gackt景虎もなかなか。さすがに見目麗しく、天才武将のイッちゃった感がにじみ出ていて、こちらも私的にはツボ。琵琶を弾く姿もきれいだったし。あの指づかいはギターっぽかったけどね。発声が微妙だが、あれがガックン節という気もする。体重を9kg増やし、身体を造ったというガクトさん、殺陣の出来はどーなんでしょ。

個人的には千葉真一の板垣信方と谷原章介の今川義元がお気に入り。板垣サンはもうすぐ死んでしまうんだよね。義元もいずれ桶狭間で。仕方のないことだが残念だ。

3ヶ月クールの軽いドラマに慣れてしまって、1年で49回という長いドラマがかえって新鮮。あと半年、楽しみだ。うーん、今年も半分過ぎてしまったか。早いな。

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