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二つ巴

14日、佐門会演奏会@内幸町ホール。開演18時。平日なので、夜の開演はありがたい。

長唄の演奏会は平日に行われることも多く、仕事をもつ身にはつらいときがある。19時開演だと会社勤めの友人たちも誘いやすいのだが。終演時間等を考えると18時スタートでぎりぎりなのかな。

番組は「靱猿」「吾妻八景」「二つ巴 上の巻/下の巻」「蜘蛛拍子舞」。「二つ巴」の後に休憩。この日は受付のお手伝いをさせていただいたので、場内でフルコーラス聴いたのは「二つ巴」のみ。あ、もちろん、ほかの曲はモニターでしっかりチェックしておりまする。

「二つ巴」(作詞 竹芝金作、作曲 四世杵屋佐吉/現・家元七代目のお爺様)は上下巻の二部構成で、大正6年初演。忠臣蔵の茶屋場と大星由良助(大石内蔵助)の東下り、討ち入り、本懐、引き上げが芝居風に描写されている。曲タイトルは大石家の家紋に由来。

上巻の副題は、-遊興は花の夕-。歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の七段目「一力茶屋の場」の幕開きにかかる「花に遊はば 祇園あたりの色揃い」という下座音楽の印象的なフレーズから始まる。演奏会でも舞台の幕を開ける前から三味線が前弾きを弾き始め、幕が開いて唄が始まり、じつに華やか。わが一門の曲で、私も以前、上の巻の稽古をつけていただいている。アップテンポでノリがよく、弾いていて非常に気持ちがよい曲だ。当然ながら私は弾きこなすにはいたっておらず、うまく弾けないところもたくさんある。それでも弾いていてすごくいい気分になれるし、とにかく楽曲として非常におもしろい。

この曲は江戸時代に生まれたいわゆる古典の楽曲とは趣が異なり、使われる手(三味線のフレーズ)もモダンな感じでドラマティック。といっても、作られたのは90年も前になるわけで、もはや“現代” 風とはいえないけれど。上の巻のラストは踊り地を演奏しながらだんだんと音が小さくなり、暗転する。開幕でフェイドイン、閉幕でフェイドアウト。まさに芝居さながらの演出だ。

下巻-本懐は雪の旦-は、「頃しも師走中旬とて 剣の風に打ちまざり」と豪快な大薩摩から始まる。四十七士が高師直(吉良上野介)邸に討ち入るさまから、本懐、そして引き上げとつながる。大薩摩が討ち入りのチャンバラシーンを思わせ、とにかく勇壮でカッコいい。これをビシビシと弾けるようになれたらいいなぁ…。

上巻を女性が、下巻を男性が担当することが多く、今回もそれぞれ五丁五枚、四丁四枚で演奏された。大曲だが重くなく、さらりと聴けるのは佐門ならでは。個人的に演奏はもっとメリハリがあるほうが好みなのだが、品のよさと独特の妙味を感じることができ、この曲のすばらしさを再認識した次第。

くしくもこの日・14日は討ち入りがあったとされる日。寒い1日だった。みなさま、おつかれさまでございました。

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