« 蝋梅 | トップページ | シロヤマブキ »

雷神不動北山櫻

Narukamihudokitayamazakura先週の話になるが、9日、初春花形歌舞伎 通し狂言「雷神不動北山櫻」@新橋演舞場。夜の部。

「成田山開基1070年記念」らしく、冒頭で市川海老蔵が口上でその言を述べていた。海老蔵サン、すでにテンション高くノリノリ。一人五役、このまま突っ走るのか。

筋書にある解説によれば、「雷神不動北山櫻」は寛保2年(1742)に大坂で初演、二代目市川團十郎(当時は海老蔵)が粂寺弾正、鳴神上人、不動明王の三役を勤めた[*]という。歌舞伎十八番の「毛抜」「鳴神」「不動」をミックスさせた通し狂言で、強引な展開ではあるが、それぞれがひとつの物語につながっている。

今回は海老ちゃんが三役に加え早雲王子、安倍清行も演じて、もう大忙し。なにせ五役ですから。わかりやすいキャラばかりなので、演じ分けの心配も不要。全編、海老蔵節で押しまくり。それがまたおもしろくて、海老ちゃんワールドを堪能した。

早替わりばかりで後見さんが大変そう。後半のハードな立ち回りでは三階さんたちも大変そう。いい感じで突き進む海老ちゃんを横目に、後見さんや三階さんたちをハラハラしながら観ていた私。下座にはMy師匠もおられて、そっちにも耳ダンボ状態だったし。師匠、そして皆様方連日おつかれさまでございます。劇中2回登場した大薩摩も素晴らしかったけれど、残念だったのは、観客はいつ海老ちゃんが出てくるかと舞台を注視するのに一生懸命で、大薩摩に拍手を贈る余裕のある人が少なかったこと。7列目のやや上手側の席だったが、唄の声も三味線の音も小さめに聴こえた。あの演出では仕方ないかなぁ…。

「市川海老蔵 空中浮遊相勤め申し候」。宙乗りではなく、浮遊とな。「ちゃんと浮いてるよ」と師匠から軽いネタバレを聞いていたものの、どんなようすか想像できないままそのシーンを観た。おお、本当に海老ちゃん浮いてる~w しかし、驚くほどではなかった。不動さんなので動きがないからね。「あ、浮いてる」で芝居も完。盛り上がったけれど、もうちょっと引っ張ってもよいような気がした。

海老ちゃんは出ずっぱりでも最後までパワー衰えず、体力も精神力もすごい。ほかの役者さんでは、猿弥、段治郎がすごくよかったです~。エンターテインメントとして素直に楽しめたし、おもしろい芝居だった。観終わった後の感覚は、ハリウッドのアクション映画を観たときのよう。何も考えずGOGO! OK!という感じ。元気になれる歌舞伎って、なかなかないよね。

さて、あさっては歌舞伎座で團十郎の「助六」。こちらも楽しみだ。

[*]歌舞伎では役を「務める」ではなく「勤める」という漢字を当てるのが一般的。
photo/「雷神不動北山櫻」筋書表紙。

|

« 蝋梅 | トップページ | シロヤマブキ »

「歌舞伎」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/113332/17697798

この記事へのトラックバック一覧です: 雷神不動北山櫻:

« 蝋梅 | トップページ | シロヤマブキ »