文化・芸術

明日の神話

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あっという間に12月。さすが年末、何やら慌しい。

写真は渋谷に移された岡本太郎の壁画「明日の神話」。マークシティに設置されて以来、何度この前を通っている。そのたびに足を停め、この大きな絵を眺めている。

「真っ赤だ」「クリスマスカラーだね」。昨日、この絵の前を通ったときに聞こえてきた、若いカップルの会話。うーん、クリスマスカラーが赤というのは間違ってないけどさ…。

photo/岡本太郎「明日の神話」。幅30m×高さ5.5m。

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白鷺宝

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28日、小唄夜雨會@三越劇場。仕事でいつもお世話になっている盆栽のK先生がご出演。堂々たる舞台、さすがでございます。1曲わずか1~2分。その短い間に粋や艶を表現する小唄の世界。奥深い。

私は仕事もあって途中で劇場を後にしたため観られなかったが、会の後半では市川團十郎、吾妻徳弥の両氏が小唄振り(踊り)を披露。これが團十郎サンの久しぶりの仕事となったようで、復帰の話題はネットの芸能ニュースでも触れられていた。治療により、血液型が変わったとか。現代の医学では、そういうこともあるんだなぁ。

K先生から「白鷺宝(はくろほう)」を頂戴した。黄身餡をミルクで包んだ、まん丸のかわいらしい形のお菓子。上品な甘みでおいしい! 先生の地元・埼玉の銘菓なんですね。ありがとうございました。

photo/菓匠 花見の「武蔵野 白鷺宝」。卵の風味が生きた上品な味わい。銀紙で包まれた姿もかわいい!

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べったら市

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10月19・20日、「べったら市」。日本橋の宝田恵比寿神社の門前に「べったら漬け」の露店が並ぶ。江戸時代の中ごろから行われている、江戸の庶民のお祭りだ。

19日の夜、現地へ。日が暮れて雨が降り始めたが、けっこうな人手だった。「べったら漬け」はダイコンの麹漬け。浅漬けで味は甘め。いくつかの露店で試食して、おいしかったところで購入。量り売りで、40cmぐらいの長さのダイコンに塩漬けの葉っぱがたくさんついて1300~1500円ぐらい。んー、安くはないなぁ。

恵比寿さまに参り、焼きそばとたこ焼きとビールを買って、すぐ近くの師匠宅へ。先生は今月、三越劇場の澤瀉屋(おもだかや) の芝居に出演中。ほかの長唄演奏家の方々も集まっての飲み会に。奥様、おいしいお料理をありがとうございました(「べったら漬け」忘れて帰ってすみません)。

私は電車のある時間に失礼したが、3時ごろまで宴会は続いたとか。早めに帰ったのに山手線でぐるぐる回っちゃった人もいたってホントですかぁ。翌日の芝居は当然、午前中に開演。大丈夫だったんでしょうか…。まあね、二日酔いで舞台って、役者さんや演奏家さんたちにとってはごく日常的なコトらしく、酒臭くても頭が痛くても芝居は連日フツーに行われ、感動の演技・演奏を見せてくれるワケですが。さすが、プロ。

photo/「べったら市」にて。日本橋のオフィス街のど真ん中。駐車場などが宴会場になり、仕事帰りの人たちがあちこちで飲んでいる。19日は雨だったが、人は多かった。

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祇園祭

           Kyotoroji

新潟の地震、被害が拡大しませんように。復興を祈ります。

この連休は法事で実家へ。大阪・京都は台風の影響があまりなく、風雨もさほどひどくはなかった。ちょうど祇園祭の時期。山鉾が立ち並ぶ鉾町を15日夕方から散策した。昨年は仕事だったが、2年連続でこの期間に京都に居られてラッキー! 人はたくさん出ていたが、天候のせいか連休中日の宵々山にしては空いていて、今回は鉾に上る列もあまり並ばずに済んだ。

                        Funeboko_geki

                        Funeboko_kaji   

時間が早いうちは人出が少なかったので、京都ならではの古い建物をじっくり見ることができた。木造の町屋、明治大正あたりに造られた古いビル、その狭間に無数に存在する路地。京都の街中といっても、下京あたりは庶民的。江戸の下町とはまた違った趣きがあり、まったりゆったり落ち着ける空間だ。やっぱりいいなぁ、京都は。

今日の山鉾巡行も見たかったが、仕事もあるし昨日慌しく帰京した。祇園祭、来年も見られたらいいな。

photo/上・鉾町の路地。銀色の円柱状の入れ物に「昭和三十二年」と記してあった。祭の道具入れかな。
中&下・私が一番好きな鉾「船鉾」の船首と船尾。祭神は神攻皇宮。鷁(げき)と龍の意匠で豪華に飾られている。舵は螺鈿細工だ。

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湯島にて

Anesama武藤江戸あねさまを観る会@湯島天神・参集殿。

師匠のお母さま主催の「あねさま」の展示会。年齢や職業などにより異なる江戸時代の女性の髪型や服装を、和紙と千代紙で表現したあねさま人形だ。

高さは一般的なもので約25cmほど。髷の形とそれを彩る櫛や簪の凝ったディテールがすごい。パーツはじつに細かく、制作には根気のいることと思う。高さ5cmほどのミニチュアサイズ(「針姉様」と書いてあった)もあって、その精巧さに驚いた。

Yushimanoushi着物と帯の柄選びに作者の個性が垣間見られた。古典的な表情のあねさまもいれば、現代的でモダンな印象のあねさまもいる。着物の色柄合わせは洋服とはまったく異なり、柄×柄や、反対色・補色の組み合わせなどかなり大胆なコーディネイトが粋に見え、おもしろい。

江戸前の粋な着こなしは、素人にはなかなか難しい。あねさまをYushimaajisai観て、色や柄合わせの勉強になると思った私でありました。

湯島天神の近くでは、アジサイがあちこちで咲いていた。6月だなぁ。

photo/上・「武藤江戸あねさまを観る会」会場にて。髷はすべて白い和紙。島田を結った奥方、桃割の町娘、文金高島田の花嫁、着飾った太夫(花魁)など、その種類は多い。稚児、男児の人形もあった。
中・湯島天神の牛。もちろんなでてきたよ!(アタマがよくなるおまじない)
下・湯島天神近くに咲いていたアジサイ。ガクアジサイかな。

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金魚

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昨日(16日)の午後、ちょっと時間がとれたので世田谷ボロ市へ。

人は多かったが、行き交う人とギュウギュウ押し合うほどでもなく。平日だから、日が高いうちはこんなものだ。着物屋さんが増えているような気がした。反物を漁ってみたが、いいなと思ったものは数万したりして、ちっとも安くないのだ。一般的なリサイクルやアンティークの店より高い。それでも、売れるんだろうな。祭だから。

人手はそこそこなのに、代官餅は待ち時間30分と大人気。ああ、今回はパスしてしまった。12月にはGETしなきゃ。今年は骨董品もなんだかイマイチだなぁ、と思いながら会場をぶらぶら歩く。そして出会ったのが、写真の金魚たち。脇の路地に並んでいる骨董品屋さんの中で、真っ赤な金魚が6匹居た。ああ、目があっちゃった。わかったよ。うちへおいで。

札に「山さんごの金魚」と書いてあった。箸置き? でも、口の下側に小さな穴が開いてる。お店のご主人によれば、この穴に糸やテグスを通して飾りに使われていたものらしいとか。はっきりとわからないそうだけど。口に糸を通すと、金魚が上を向いてぶら下がるような感じになるのか。

2匹購入。使い道は…考え中。ストラップやネックレスにするのもいいが、こうして飾るだけでもカワイイ!

photo/山珊瑚の金魚。長さ約4cm。実物は、この画像よりもっと赤い。緋色という感じだ。お腹側はちょっと朱色っぽい。

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「若冲と江戸絵画」展

Jakuchu26日、お稽古の前に東京国立博物館へ。若冲を観に行く。

最終日前日、しかも土曜日ということですごい混雑を予想していたものの、現地に着いた1時半ごろの時点では、待つこともなくすんなり入場。中に入るとやはり人は多かったが、平日昼間の北斎展(⇒昨年11月の記事)よりもマシ。さほどストレスを感じることもなく、自分のペースでじっくりと絵を観ることができた。博物館を出るときは、30分待ちになっていたけれど。

伊藤若冲の絵は、パワフルでおもしろい。構図がとにかくしゃれていて、近代的なグラフィックアートのようでもある。観ていて本当に飽きない。彼が描く動物や植物には、グロテスクという表現がぴったりなほど強いデフォルメがされているものがある。リアルを通り越したグロい誇張が滑稽さやかわいらしさを伴なって、あの、思わずニヤリとしてしまう独特の表現につながっているのだと思う。今回の展示で「エキセントリック」という構成タイトルが使われていたが、まさにそれ。200年も前の絵なのに、今でも充分エキセントリック。江戸時代の人々は、彼の絵を観てどう感じたのだろう。

一番の人気は「鳥獣花木図屏風」かな。象や虎などたくさんの動物と植物が86000もの升目で描かれたモザイク画。この展示の前は人だかりがすごくて、なかなか絵の近くに行けなかった。最前列でも、升目の細部までは見えず。拡大鏡で間近に見ないと、あの細かい表現はなかなかわからない。拡大された印刷物で、その片鱗をあらためて味わう。

この展示はアメリカのプライスコレクションで、若冲マニアのジョー・プライス&エツコ・プライス夫妻が集めたもの。若冲の絵は思ったより少なかったが(私が一番好きな仔犬の絵はここにはなかった。残念!)、ほかの画家達の絵や屏風がたくさん出品されていて、圧巻。とくに、長沢芦雪、酒井抱一、鈴木其一らの絵が印象的。会場を暗くして、絵に当てる光を変化させながらの屏風の展示がきれいだ。金銀の塗りの豪華さ、変わる灯りの中で浮かぶディテールなど、ふだん観られない部分が浮かび上がり、とても興味深かった。

東京の展示は明日(27日)まで。9月23日~11月5日京都国立博物館。その後、福岡(大宰府市)、名古屋へ。また観たいなぁ。
プライスコレクション 「若冲と江戸絵画」展 公式サイトはコチラ

photo/会場で購入した、伊藤若冲筆「鶴図屏風」のポストカード。折り目がついていて、ミニ屏風として飾ることができる。

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山鉾巡行

Huneboko終日、京都はざんざん降りの大雨。祇園祭の山鉾巡行は、この雨のなかで行われた。

Kikusuiboko今日は仕事を離れて、個人的に祭を見に行った。祝日でもあり観光客は多いが、大雨のためか、思ったほど混雑してはいない。四条や烏丸、御池通りでも、人はたくさんいるものの、ぶつかったり押し合ったりすることもなく、自分のペースで歩きまわることができた。いらち(大阪弁で「せっかち」の意)な私でも、ストレスを感じることがなく。これは雨のおかげか。

四条烏丸のスタート地点を少し見て、あとは御池通りでじっくり見た。山鉾の豪華な調度品にはビニールがかけられていて、どれもはっきりと見られず、残念。今年は曳き初めも宵山も見たけれど、ずっと天気が悪くてビニールが外されることはなかった。お囃子さんが乗り、祇園囃子とともに勇壮に通りを進む鉾の合間に、こぢんまりとした山が3基ずつ続く。この雨のなか、濡れながら静かに練る山たちは、なかなか儚げで独特の味わいが。

Housyoyama祇園祭は貞観11年(869)、疫病の災厄を祓うために祈願したことから始まったお祭で、応仁の乱後の明応9年(1500)に再興されて以来、現在行われているような山鉾巡行を初めとした様式が定着したという。数々の変遷はあるにせよ、今のような形になって500年余。さすがに京都である。

この雨はまだ続くようだ。各地で大きな被害が出ている。祇園祭の山や鉾は、疫病の災いを集め、それを祓うために都大路を巡行する。この雨の災厄も長刀鉾のひと太刀で、祓ってしまえないだろうか。夕方の新幹線で帰京。東京も雨。

photo/上・四条烏丸を通過する船鉾。とても美しい姿の鉾だ。宵山で船鉾のちまきを購入。玄関にかけて厄払い。
中・モダンなお囃子がカッコいい菊水鉾。しかし今日は雨でお囃子もあまり響かず。御池通り。
下・平井保昌が和泉式部のために紅梅を手折ったという伝説に由来する保昌山(ほうしょうやま)。ビニールかぶった保昌さんの姿があはれ。御池通り。

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宵山

Giontyouchin_1今日は祇園祭の宵山。またまた京都へ行ってきます。

Naginataboko_1宵々山も宵山も例年混雑するけれど、今年はちょうど週末、しかも連休に当たっているので、ものすごいにぎわいだろう。昨日、四条室町近くに住む知人に電話したら「人が多うて、外に出られへん!」と。鉾町に住むのも大変そうだ。

photo/上・四条通りにかかる提灯。2つの家紋は八坂神社の紋。
下・長刀鉾。祇園祭の山鉾は年代モノの工芸品で飾られており、“動く美術館”といわれている。いずれも12日撮影。

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祇園祭

Tsukihoko12日、京都へ。仕事で、祇園祭の鉾の曳き初めを見てきた。早いところではもう鉾の前に提灯が立っていたので、夜はキレイだったかも。残念ながら、昨日は日帰りだったため、それを見ることはできなかったが。

久しぶりに生で聴く、コンチキチンのお囃子。何年ぶりやろ。ええなぁ、やっぱり。

京都の祭というと、葵祭や時代祭の平安貴族風ののんびりイメージを思い浮かべる人が多いけれど、祇園祭はなかなかアクティブな庶民のお祭りである。鉾や山を立て、動かすには、かなりの技術が必要。あの大きな山鉾の骨格は、木材を縄で巧妙に組み合わせる伝統的な工法で作られている。大工さんたちの腕の見せどころだ。

美しい彫刻や年代モノのタペストリーなどで彩られた鉾に、鉦や笛を持ったお囃子さんたちが乗り込み、扇子をもった2名の先導役(「エンヤラヤー」と声を掛ける人。役名失念)もスタンバイ。そして、鉾は動き始めた。曳き初めは鉾町内でのテスト走行だ。町内を少し動かすだけなのだが、それでも、通りのワンブロック分はある。見ているとけっこう移動距離があって、迫力満点。子どもを含む、地元の方々が鉾につけた紐や布を握り、みんなで曳いていた。鉾車が軋んで立てる、あの「ギシギシ」という音が、私はとても好きだ。

今年は宵々山からちょうど3連休にハマってしまった。すごい人手になりそうだ。祇園祭はじつは7月1日から1ヶ月かけて行われる壮大なお祭りで、山鉾巡行だけがすべてではない。でも、やはり巡行は特別! 17日は雨になりませんよーに。

photo/曳き初めでゆっくりと動き出す月鉾。ここは浴衣の柄もカッコいいんだよ~。バックするときは、先導の2人が反対側に乗って、すかさず前後をチェンジ。さすがにUターンはできないか。

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