書籍・雑誌

大人買い

Hinotori先月は吉田秋生、今月は手塚治虫。やっちゃっいました大人買い。

「火の鳥」を全巻読む。源平の物語に火の鳥(鳳凰)が絡む「乱世編」がおもしろい。手塚治虫の歴史ものは絵柄とのギャップを少なからず感じることもあるが、史実または伝説を元に練られたストーリーが凝っていて、その世界に引き込まれる。手塚作品では、個人的にSFものよりも歴史もののほうが好みだ。

吉田秋生の「BANANA FISH」と「夜叉」はe-BOOKのウェブコミックで購入してみた。PCで読む漫画は、紙よりも展開を追いやすいような気がする。目は疲れやすいけれど、さくさく読み進められる。紙媒体だともっとゆっくり、じっくり味わっていくような感じかな。大人買いで一気読みするには、PCでも悪くないと思った。2作とも過去に読んでいることもあり、当時の記憶を思い出しながらさくさくと読み進めた。

電子コミックはデータだから置き場所をとらないのが第一の利点だが、ごろごろしながら姿勢を変えつつ読むということができないというマイナスの要素がある。ノートPCなら寝転がって読むことはできるが、持ち上げたり、向きを変えたりしながら読むのには適していない。それでも、お腹の上にノートPCを乗せてみたり(この季節は暑いので長時間は無理だけど)、いろいろな体勢で長編を読破。人間、なんでもやればなんとかなるもんだ。

子どものころ、漫画雑誌の発売日が待ち遠しくてしかたなかった。好きな作品は単行本を1冊ずつ買い揃えるのが楽しみだった。しかし、大人になった今は、単行本化を待って数巻単位でまとめて買うことが多い。多くの名作が次々と文庫化されているが、それも完結してから一気に買ってしまう。

10数巻なら、まとめて買っても数千円。安くはないが、手が届かない金額ではない。じつに微妙な価格設定だと思う。これがまとめて数万円だったら、気分で買ったりはしないもの。まあ、金額的なことはともかく、私が大人買いをしてしまうのは、少しずつ買うのが面倒だからだ。ワクワクしながらじっと待つことよりも、手軽に入手し手早く消化することに喜びを見出す。ああ、哀しいかな、これぞ大人の発想だ。大好きな漫画には、もっとピュアな気持ちで接したいなぁ。

photo/角川文庫「火の鳥」全13巻。amazonで購入。「お急ぎ便」にしなくても、注文の翌日に届いた。

| | コメント (3) | トラックバック (0)