江戸宵闇妖鉤爪
7日、「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ) -明智小五郎と人間豹-」@国立劇場大劇場。原作は江戸川乱歩の「人間豹」。そう、松本幸四郎と市川染五郎が洋服でポスターに登場し話題となった新作歌舞伎である。
明智小五郎シリーズは小学生の頃、何作か読んだ覚えがあるが「人間豹」は記憶にない。猟奇的殺人、歪んだ情愛、異形、おどろおどろ…子どもには向かない内容だが、これが乱歩の小説の醍醐味。原作を確認すると小林少年も活躍するようだし、とくに大人向けというわけでもないだろう。
で、このストーリーが歌舞伎という手法で描かれて。時代は幕末の江戸。着物の衣装も時代がかった台詞回しも違和感なく、思っていた以上に歌舞伎ぽい。というか、フツーに江戸の時代劇という感じ。斬新なのは演出と音楽かな。ワイヤーアクション、猟奇的演出、場面転換などは新しい。染五郎サン、空をびゅんびゅん舞って楽しそう。鉤爪になったときの姿と動きがよかったっす。隈取と表情を見て、私は敬愛するベーシスト、KISSのジーン・シモンズを思い出し、ニヤリ。ワイヤーアクション&宙乗りはもっと派手でもいいなぁ。
音楽は新内がたっぷり聴け、一部SEによる効果音(太鼓、豹の咆哮)も。新内のフレーズが入る長唄の「みやこ風流」をお稽古でちょうどやっていることもあり、新内の弾き語りを興味深く見せてもらった。また、浄瑠璃、長唄それぞれ見せ場があり、掛け合いがおもしろい。師匠、おつかれさまでございます。
正味2時間余りの芝居で、展開はスピーディ。飽きないし最後まで楽しく観られたが、時間の流れがちょっとわかりづらかったかも。春猿サン、どの役もハマっていていい感じだった。染五郎サンとのツーショットが美しい。“明智”幸四郎サン、存在感はさすが。しかし紋付羽織に十手といういでたちに、うーん、“鬼平”を連想してしまったのです…。スマートな探偵・明智小五郎はスーツ姿で見たいなぁと思った次第。でも、それじゃあ歌舞伎とは言えないか~。
photo/筋書表紙。勇壮な豹の襖絵「竹林豹虎図」(名古屋城管理事務所 蔵)。
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